エラリー・クイーン パーフェクトガイド (ぶんか社文庫)
飯城 勇三ぶんか社
ぶんか社
エラリー・クイーン作の推理小説をすべてランキング評価付きで解説してある文字通りのパーフェクト・ガイド。国名シリーズの中の一冊「エジプト棺」をランキング1位に評価しているのは読者の好みが分かれるところであるからなんともいえないが、このリストは読書リストのチェックに使えるのでありがたい。 映画・グッズ等のミステリー以外の古今東西のクイーンものも網羅している。これからクイーンを読み始める人にとってはお勧めの1冊である.
明治の翻訳ミステリー 翻訳編〈第2巻〉ミステリー小説の成立 (明治文学復刻叢書)
五月書房
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DBジャパン
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天の猟犬―ゴドウィンからドイルに至るイギリス小説のなかの探偵
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明治の探偵小説 (晶文社オンデマンド選書)
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中学生日記シナリオ版〈3〉
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シャーロック・ホームズが誤診する―医学・推理・神話
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謎解きが終ったら―法月綸太郎ミステリー論集
法月 綸太郎講談社
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シャーロツク・ホームズ大事典
東京堂出版
東京堂出版
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ホームズに関する事典という企画は、何も本書が初めてなわけではなく、日本語で読めるものだけでもこの他に何種類かはあるはずであるが、そのほとんどが翻訳か、事典というにはやや不満の残る小ぶりな内容のものであることが多かった。その点本書は、日本人の手になる本格的な規模の大事典として、ホームズファンにとってはたまらないものといえよう。いわゆる、「ホームズ学」が好きな人はもちろんのこと、イギリス文化・英文学・西洋史などに興味のある人にとっても、充分に有益な内容が盛り込まれている。価格も、書籍としては決して廉価とはいえないとしても、内容の豊富さや装丁の豪華さから考えれば、むしろよくこの価格でできたものだといってよかろう。私は本書を購入して以来、毎晩寝る前にベッドの中でいくつかの項目を読みながらうとうとするのが楽しみになっている。ただ、敢えて改良の余地を指摘するとすれば、このような内容ならば必ずしも五十音順の形式にせずとも、項目別や作品別の編集にすることも考えられたのではなかろうか。せっかく立派な索引もついているのだから。
間違いの悲劇 (創元推理文庫)
本書はエラリー・クイーンの最新長編になるはずだった小説の精細なシノプシス(梗概)、『間違いの悲劇』と単行本未収録の7つの中・短編からなっている。
「本格パズラー」の巨匠エラリー・クイーンの“最後の事件”となれば、私のような、少年時代からクイーンの諸作品を読むことで育てられたミステリーファン、なかんずく「本格パズラー」のファンとしては、たとえ梗概でも読まずにはいられない。
『オセロー』をミステリー風に脚色すべく奮闘していたエラリーは、往年の大女優が『ハムレット』の舞台と同じ名で呼ばれる城で怪死したと聞き、シェークスピアの呪縛に苦悩しつつ推理を展開する。
諸般の事情で小説化されなかったのは残念だが、梗概とはいえ、クイーンらしい「本格のコード」が随所にちりばめられていて、そのテイストを十分味わって読むことができた。
なにしろ’74年邦訳(アメリカでは’71年発表)の長編『心地よく秘密めいた場所』以来32年。もうクイーンの新作は絶対読めないとあきらめていただけに、この梗概に触れることができて、それだけでもう感動モノである。
また本梗概により、リーとダネイによる合作作家‘エラリー・クイーン’の コンビの秘密を興味深く覗き見ると共に(ダネイが本梗概のような緻密なプロットを考案し、リーがそれを巧みな描写で小説化するといわれている)、リーが作品として完成させる前の、生(き)のエラリー・クイーンの姿を見ることができた。
併録されているほかの7編もファンにとってはこたえられない“クイーンらしさ”があふれる逸品揃いで、私もクイーンの諸作品を興奮して読んだ若き日々をなつかしく思い出した。
Xの悲劇 (創元推理文庫)
本書は、良くも悪くも同年発表の『エジプト十字架の謎』によく似ている。
過去の復讐というモチーフによる連続殺人、メイントリック、唯一この人物しか犯人ではありえないというロジック...。
しかしながら本書は『エジプト十字架』と同樣、この人物しか犯人ではありえないというロジックに合わせんがためのご都合主義が、随所に見え隠れするのである。
まず第一の事件では、犯人が身に着けているのが自然な物を、身に着けていないために怪しまれるはずのところを、誰もそれを理由に怪しんだりしないのは不自然である。
これはレーンのみが犯人に目星をつけるようにした作者の都合によるものである。
第ニの事件はとくにひどいもので、犯人は殺人とは別のある目的で被害者を船から投げ落とすのだが、たまたまうまくいったものの、もしも失敗して目的とは逆の結果になっていたら、誰が犯人であるか露呈しかねない極めて危険な方法である。
普通なら犯人は絶対にこのようにリスクの高い方法を選ぶはずがないにも関わらず、犯人にもっと確実で安全な方法でその目的を果たさせなかったのも、レーンにデヴィッドが無実であることを証明させるための作者の都合である。
そして第三の事件で犯人はピストルが発見されても何の不都合もないにも関わらず現場にピストルを残さず、誰かに見られるかも知れないというリスクを冒してまでわざわざ川に投げ捨てさせたのも、コリンズが犯人ではないとレーンに証明させるための作者の都合である。
これらのように、不自然でご都合主義に満ちた本書だが、アンフェアな記述がない分、『エジプト十字架』に較べればマシである。
ギリシア棺の謎 (創元推理文庫 104-8)
僕は本作が、「意外な犯人」の最高傑作だと思ってます。高校のとき読んでて、犯人がわかったとき思わず、登場人物表を見直しました。
「Yの悲劇」みたいにおどろおどろしさがなく、探偵エラリーもサラッとしたキャラなので(ファイロ・ヴァンスやドルリー・レーンに較べてってことですよ)、「伝説」の域までは評価されていませんが、冷静に読めば「本作」のほうが、ずっとよく考え抜かれているのがわかるはずです。
殺人現場の見取り図もあるし、読者への挑戦状もあるし、古きよき時代の本格物の楽しさを満喫させてくれます。
法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)
角川が続けている、ミステリ作家にアンソロジーを組ませるという企画の第三弾。これまでの北村薫、有栖川有栖にくらべても、かなり濃い一冊に仕上がっている。
収録されているのは、ウディ・アレン、小泉八雲、ノックス、デイリー・キング、スラデック、西村京太郎、クイーン、クリスピン&ブッシュ、中西智明、ヒル、大平健、ボルヘスの12篇。
編者の好みにより、メタ的なミステリが多い。探せば、色々と変わったミステリがあるものだなと感心させられる。すれっからしのミステリ・ファンにおすすめ。
アメリカ銃の謎 (創元推理文庫 104-10)
秀作・傑作の並ぶ国名シリーズの中では、最も不満な出来ばえの作品がこれだろう。
根本的な仕掛けはクイーン自身が以前にも使ったパターンを思いきりひねったもので、意外性はあるのだが…映画ファンとしてはこれは絶対ありえない、と言わざるをえない。なにしろ、あのブルース・リーでさえ格闘シーンの中で一瞬だがこの手を使ったことがあるそうだが、それに観客が気づかないのはあくまでカメラ・アングルと編集のおかげなのだ。それに、重要な手がかりの一つがあまりに文章の中に埋もれてしまっているのも、『オランダ靴の謎』では手がかりを堂々と見せびらかせてくれたクイーンらしくなく、不満な点である。